すぐできる、誰でもできる、人生を好転させる「5つの習慣」

ライフハック

人生をうまく回すコツphoto credit: sgym@662 via photopin cc

夢をかなえるゾウ」という本が面白かったので、先日かんたんな書評を書いたばかりなのですが、

本書のすばらしさをぜんぜん伝えきれていない感がありましたので、もういちど筆をとります。

というわけで、きょうはこの本に登場する「成功への29の習慣」の中からとくにグッと胸にひびいた5つの習慣をご紹介。

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1.決めたことを続けるための環境を作る

禁煙する、ダイエットする、日記を書き続ける、家庭のルールを守る、早起きする・・・人生はチャレンジの連続です。

しかしこういうのってなかなか成功しないし、うまく続いていかないものですよね。

ガネーシャ(:本書に登場する怪しい神様)は、人が変わろうと思っても変わることのできないもっとも大きな原因として、こう断言します。

人間は意識を変えることはできない」と。

それでも人は「意識(だけ)を変えよう」と奮闘します。なぜでしょうか。

「『楽』やからや。その場で『今日から変わるんだ』て決めて、めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するの楽やろ。だってそん時は想像しとるだけで、実際にはぜんぜん頑張ってへんのやから。つまりな、意識を変えようとする、いうんは、言い方変えたら『逃げ』やねん」
p115

「人間は意識を変えることはできない」?・・・それでは、いったいな何をどうすればいいのか?

「本気で変わろ思たら、意識を変えようとしたらあかん。意識やのうて『具体的な何か』を変えなあかん。具体的な、何かをな」
p116 

「ええか?ワシが言いたいのはな、自分がこうするて決めたことを実行し続けるためには、そうせざるを得ないような環境を作らなあかんいうことや。ただ決めるだけか、具体的な行動に移すか。それによって生まれる結果はまったく違ってくるんやで」
p117

たしかに何かを決意した瞬間は、自身に陶酔して気持ちがよくなるものです。

しかし人間の意思というものは弱くてもろい。だから決意の熱が冷めるまえに、環境や行動を変えていかなければ、自分を変えることはできないのです。

わたしは昔ヘビースモーカーでした。いままでに何度も何度も禁煙に失敗してきました。もう数えきれないほどに。

いま思えば、失敗し続けた理由はやはり「具体的な何か(行動、環境)を変えなかった」からだったと反省しています。

「よっしゃ。今日からタバコやめた」という意思だけで現実を変えようとしたから、何度やってもうまくいかなかったのです。

何度も禁煙に失敗して、ちょっとずつ行動や環境を変えることで、やっとタバコをやめることができました。

行動を変えなければ、現実は1mmも変わることはないのです。

2.ひとが欲しがっているものを先取りする

「つまり、こういうことが言えるわな。『ビジネスの得意なやつは、人の欲を満たすことが得意なやつ』てな。人にはどんな欲があって、何を望んでいるか、そのことが見抜けるやつ、世の中の人たちが何を求めているかが分かるやつは、事業始めてもうまくいく。上司の良くが分かっているやつはそれだけ早く出世する。せやろ?」
p55

自動車の育ての親「ヘンリー・フォード」を引き合いに出し、ガネーシャはさらにこう語ります。

「まあフォードくんはすごい子やったで。フォードくんの作ったT型フォードは、世界で1500万台も生産されたんやからな。で、そのフォードくんがこんなこと言うてたんや。『もし私がお客さんに何が欲しいかとたずねたら、彼らは、もっと速く走れる馬を、と答えていただろう』この意味分かるか?」

(中略)

「ええか?人の欲を満たすにはな、人に『何が欲しいんですか?』って聞いて回ればええってことやないんやで。もしかしたら人はこう言うかもしれへんやろ。『何が欲しいか分からない』。でもな、それでも人には何かしらの欲があるんや」
(中略)
「人はな、わざわざ『〇〇が欲しい』なんて教えてくれへんのや。人が何を欲しがっているかをこっちが考えて、予想して、提案していかなあかんのや。」
p57

iPhoneでおなじみの米Appleは毎年世界中を驚かせる製品を開発し発表します。ローンチされる製品やソフトウェアは毎回どれも斬新で、画期的で、革新的なものばかり。

そしてAppleは秘密主義を徹底している会社としても有名です。製品の企画/計画/開発の一連のながれを外部にもらさずにすべて秘密裏にやってしまいます。

そうです。ひとが欲しがっているものを予想して、提案して、それをカタチにしているのです。

世界中のひとから「次は何をつくってほしいですか?」などというアンケートをとったりはしません。当たり前ですね。そんなことをやったって革新的な製品はつくれないのだから。

もしもAppleがそんなことをやっていたとしたら、きっとこの世にiPhone(スマートフォン)が誕生することもなかったことでしょう。

3.一日何かをやめてみる

「そうや。たとえば、1日は24時間やろ。これは誰にでも与えられた平等な器や。で、今、自分の器はぱんぱんに詰まってるわけやな。会社行ったり、友達と会うたり、寝たり、マンガ読んだり、そうやって24時間ぱんぱんにして過ごしてんねや。その器にこれから新しいもん入れようとしても入れられへんやろ。もうぱんぱんやねんから。さてここで質問や。そんなぱんぱんな状態から新しい生活を手にいれよう思たらどうしたらええ?」

(僕)「何かをやめて時間をつくる?」

「そのとおりや。『捨てる』とも言えるな。そうやってぱんぱんに入った器から何かを外に出すんや。そしたら空いた場所に新しい何かが入ってくる。それは、勝手に入ってくるもんなんやわ。たとえば、自分の周りで会社辞めたやつも、意外としぶとう生きてるやろ。それは、会社辞めることで空いた器に何か新しい仕事が入ってきとるからやねん。とにかく、人生変えていくいうのは、そういうイメージやねん。分かる?」
p107

これには「なるほどなあ」と、おもわず膝を打ちました。

先ほど書いたようにわたしはヘビースモーカーでしたが、タバコをやめたとたんに読書量が一気にふえたという経験があります。

変わるということは、「やめる」ことでもあり、「はじめる」ことでもあるのです。

4.身近にいる一番大事な人を喜ばせる

「人間ちゅうのは不思議な生き物でな。自分にとってどうでもええ人には気い遣いよるくせに、一番お世話になった人や一番自分を好きでいてくれる人、つまり、自分にとって一番大事な人を一番ぞんざいに扱うんや。たとえば……親や」

(中略)

(僕)「親と話したり、電話するのって照れてしまうし、正直めんどうなんですよね。あと、電話してもいつも小言を言われるので、話しているうちにケンカになっちゃうんです」

>「別にケンカになってもええがな。親は息子の声が聞けるだけで安心なんかもしれんで。『愛の反対は憎しみやない。無関心や』言うやろ」
p181

痛切にひびく箴言です。これは肝に銘じなければなりません。

手垢のついた言いかたになりますが、親や兄弟、妻や子供たちが自分を支えてくれたからこそ、今があるのだから。

5.やらずに後悔していることを今日から始める

「(中略)『後悔しないように生きろ』この言葉、自分も聞いた事あるやろ。なんでこの言葉、こんなぎょうさん世の中に溢れてるか考えたことあるか?それはやな、みんな自分の人生に後悔したまま死んで行くからや。せやから、こういう言葉が繰り返し繰り返し言われるんや。もしみんなが後悔のない人生送ってるんやったら、こんな言葉必要あらへんやろ」p268

「今まで無理やったら、これからも無理や。変えるならそれは『今』や。『今』何か一歩踏み出さんと。自分それ、やらんまま死んでくで」
p268

今からはじめる」というところが大事ですね。

いままでずっと出来なかった(と思い込んでいた)ことを、もしも今この瞬間からはじめることができれば、それによって得られる自信は計りしれません。

そういう小さな成功体験を何回も繰りかえし積み重ねていくことで、考え方が変わり、習慣が変わり、そしてついには人生が変わりはじめるのではないでしょうか。

まとめ

上に紹介した5つの習慣のほかにも本書には人生やビジネスをうまく回すためのコツやヒントがぎゅうぎゅうに詰まっています。

それらはどれも道理にかなっていてすごくシンプルなものばかり。

が、かんたんに理解できるからといって、ただ単に自分の腹に落とすだけではダメです。それではなにも変わりません。

まずは行動して、継続させて、それが習慣となったとき、ゆっくりと自分の血肉となって、人生をうまく回していく「チカラ」になっていくのだと感じました。

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本書は啓発本としても、ビジネス書としても、読み物(小説)としてもすこぶるおもしろい一冊となっています。

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